大切なものを長く使う為に ~レザーバッグのメンテナンス【革鞄の手入れ方法】~

2020.08.13

Leather bag

こんにちは。リペアスタジオREFINEです。

「お気に入りのレザーバッグ、出来るだけ長く綺麗に使い続けたい」

そうお考えの方は多いのではないでしょうか。

元の革質にもよりますが、正しいメンテナンス・保管方法を取れば10~20年ほど継続してお使いいただけます。

一方で、間違った手入れ方法はカビ・ひび割れ・染みの原因になってしまうことも。

今回は、「普段のメンテナンス方法」と「長期のメンテナンス方法」についてお話します。

1.普段のメンテナンス

普段、使用したバッグをそのまま置きっぱなしにしていませんか?

忙しない日々の中で、お気に入りのものをメンテナンスする時間というのは、ほっと一息つくきっかけになります。

日常のひとときに大切なバッグの手入れをして、リフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

1-1.乾拭きとブラッシング

日常メンテナンスは、乾拭きとブラッシングから始めます。

革の表面には小さな毛穴が無数に開いており、少しでも使用したバッグの毛穴には必ずほこりや汚れが詰まります。

それらをそのままにしておくと、カビの発生を促したりシミ・色落ちの原因になる為、乾拭きやブラッシングできちんと落としましょう。

乾拭きは乾いた天然素材の布(ガーゼ等)で、軽くなでるように拭いてください。

これを毎日続けるだけでも、革の光沢をキープできます。

その後、皮革用のブラシでブラッシング。

ここで、市販されているブラシの種類を紹介します。

馬毛ブラシ

ブラシ5

<馬毛ブラシ>

適度な弾力があり、化繊毛と山羊毛の間くらいの硬さです。

その性質から様々な用途に使用しやすいので、皮革製品の日常使いには馬毛のブラシがおすすめです。

豚毛ブラシ

ブラシ4

<豚毛ブラシ>

皮革用ブラシの中で、硬い部類に入ります。

その硬い性質を利用して、スニーカー・登山靴などの汚れやソール等のお手入れに使用される場合が多いです。

ただ、強くこすりすぎると革にキズが入ることがあるので、使用する際の力加減には注意が必要です。

山羊毛ブラシ

最も高価なブラシが山羊毛。

毛の柔らかさは断トツで、汚れ落としというより艶出しなど仕上げ用に使います。

その為、デリケートな皮革製品に安心して使えるというメリットがあります。

化繊毛ブラシ

豚毛より柔らかく、人工的に作られているため毛の太さや性質が一本一本揃っています。

他の動物毛のブラシより弾力が強く、毛が抜けにくいです。

1-2.乾いたタオルもしくは、新聞紙を丸めタオルに包んだものを入れる

おすすめはタオルに包んだ新聞紙です。

長期保管中の余分な水分を吸わせると同時に、型崩れを防ぐことができます。

NEWS PAPER

新聞紙は湿気とりに最適な素材。

そもそも新聞紙の原料は、木材です。

そして木材の繊維というのはセルロースと呼ばれる炭水化物で構成されており、湿気を吸ったり吐いたり調節する機能が備わっているそうです。

また、作製過程で添加されるデンプンも同じ性質を持っているので、その2つを使用して作られた新聞紙は吸湿性に優れていると言われるのですね。

加えて、デンプン繊維に多くある隙間へ臭いの元が入り込むことで、防臭剤としての働きもしてくれます。

つまりタオルで包んだ新聞紙を入れることで、「湿度によるカビのリスクを減少させ、臭いまで防げる」と一石二鳥の効果が期待できるのです。

ただし新聞紙を入れるときは内張りへのインク移りを防ぐため、必ずタオルに包んでから入れるようにしてください。

1-3.陰干し

風通しの良い日陰で、陰干しを行いましょう。

陰干しは屋内、というイメージがあるかもしれませんが、実は屋外でも大丈夫です。

balcony

ただし、「直射日光が当たらない」ことが大前提です。

普段バッグを使用している間にも日光は当たっていますし、そのことですぐ痛むわけではありません。

しかし、長時間直射日光が当たり続けているとひび割れ・色落ちが発生しやすくなります

日常メンテナンスの最終仕上げとして、「陰干しは、直射日光が当たらない風通しの良い場所」と覚えておいてください。

2.長期保管のメンテナンス

通常バッグなどを長期で保管する場合、クローゼットや押し入れに収納しておくことが多いと思いますが、そういった場所は湿気がこもりやすいのが難点。

カラッと晴れた日にこまめに換気をして、湿度が高くならないように注意してください。

sunny day

また、湿気から保護するつもりでビニール袋に入れておくと、革の呼吸作用によって袋内に湿気がこもってしまいます。

革に湿気は大敵です。(REFINEの知恵 ~梅雨到来!知ってほしい湿気と革のこと【革の水濡れ】~参照)

購入時のネル袋もしくは不織布に入れての保管をお勧めします。

加えて、クローゼット用や押し入れ用の除湿剤の併用も湿気を取り除くには有効ですが、ここで注意点を一つ。

多くの除湿剤に使用されている塩化カルシウムは、空気中の水分を吸収して液体になる特性があります。

この液体が皮革製品にかかると、あっという間に革が縮んで取り返しのつかない状態になってしまうのです。

そうなると当社の職人でも復元することが難しくなりますので、どうかお気を付けください。

それでは、長期保管メンテナンスの手順を見ていきましょう。

2-1.乾拭きとブラッシング

【1-1.乾拭きとブラッシング】と同様です。

縫い目等に詰まった汚れを取り除くイメージで。

2-2.クリーナーで汚れを落とす

汚れを取ることは、少なからず革に負担をかけます。

強くこすりすぎず優しくなでるように汚れを落としていきましょう。

種類を間違えると染みになることもあるので、お持ちの鞄に使用しても大丈夫なクリーナーかどうか確認してからご使用ください。

少量のクリーナーをつけた布で、目立たないところを試し拭きし、染みにならないことを目視できると一層安心ですね。

ムース・クリームを使用する場合

布に適量とり全体を軽く拭いていきます。

スプレーを使用する場合

汚れの範囲が広い・目立つ汚れの場合は、20~30 cmバッグから離して直接スプレーを吹きかけ、すぐに乾いた柔らかい布で拭きあげてください。

目立った汚れが無い場合は、スプレーを吹きかけた布でバッグ全体をポンポンと素早く叩くようにお手入れします。

2-3.クリームで革を保護する

汚れを落とす際に、革本来の油分も一緒に抜けてしまうことがあります。

汚れ落とし後の革の状態が乾燥しパサパサだったら、メンテナンスクリームで革に油分を補給し保護してあげましょう。

クリームの塗り方や種類・頻度等は、REFINEの知恵 ~梅雨到来!知ってほしい湿気と革のこと【革の水濡れ】~をご参照ください。

2-4.防水スプレーを吹きかける

残念ながら、保管中もホコリや小さなごみは鞄についてしまいます。

それを少しでも防ぐため、しまう前に防水スプレーを吹きかけてあげるといいですね。

スプレーをいきなり鞄へ吹き付けると液が一部分だけについて染みになる危険性がありますので、まずはあらかじめ何もないところに向かって吹き始めてください。

そしてそのまま革の上まで移動させると、全体的にスプレーすることができると思います。

おすすめの種類はフッ素系です。

防水スプレーの種類や使用方法についてはREFINEの知恵 ~梅雨到来!知ってほしい湿気と革のこと【革の水濡れ】~で触れていますので、よかったらご覧ください。

2-5.鞄の中のゴミをはたく

鞄の中にはゴミが意外とたまっています。

しまう前にはたいてゴミを取り除いておくと、次に気持ちよく使用できますね。

2-6.型崩れを防ぐために、新聞紙やタオルを中に詰める

【1-2.乾いたタオルもしくは、新聞紙を丸めタオルに包んだもの入れる】と同様です。

2-7.不織布、又は購入時のネル袋に入れて保管

ネル袋

前述の通り、ビニール袋のような通気性の悪いものに入れて皮革製品を保管すると、湿気がこもりやすくカビの原因となります。

そういったトラブルを防ぐために、不織布又はネル袋に入れたうえでの保管をおすすめします。

加えてクローゼットや押し入れへしまう際、バッグハンガー等で吊るしてしまうとハンドルや付け根にダメージが入ってしまうことがありますので、出来るだけ縦置きでの保管がおすすめです。

3.まとめ

お手入れについて、いかがでしたでしょうか?

皮革製品は丁寧に使い込むほど、味わいが増してきます。

正しいメンテナンス方法で、お気に入りのバッグを長く気持ちよく使用していただければ幸いです。

それでは、また次のページでお会いしましょう。

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