ヒールが取れても色が剥げても、ここまで綺麗になります! ~ルブタンのお修理~

2020.11.17


こんにちは。リペアスタジオREFINEです。

ハイヒールを颯爽と履きこなしている方って、とても格好良いですね!

                     

                     

ただ、ハイヒールにありがちなトラブルとして

「ヒールが外れた/折れた/取れた」

が挙げられます。

ヒールが外れることで、時には怪我に繋がることも…。

靴は私たちを様々な場所へと連れて行ってくれる分、しっかりした強度が必要になるアイテム。

今回は、ヒールが外れてしまった状態から再び履いていただけるようになるまで、写真や動画を用いてご紹介します。


1.人気ブランド Christian Louboutin(クリスチャンルブタン)、レッドソール誕生の秘密

ルブタンといえば、レッドソールと呼ばれる赤い靴裏が印象的ですね。

このレッドソールがどのように誕生したかご存じですか?

実は、「偶然の産物」なのです。

                     

<驚きの事実!>

                     

「アンディ・ウォーホル」というアーティストの名前、一度は耳にされたことがあるかと思います。

キャンベルのスープ缶やマリリン・モンローをモチーフにした作品が有名な、言わずと知れたポップアートの巨匠ですね。

彼の代表的モチーフとされているのが、明るくポップな印象の「フラワー」です。

ある日、その「フラワー」にインスピレーションを感じたルブタン氏が靴をデザインしていていると、近くに座っていた女性が赤いマニキュアを塗っていたそう。

その赤いマニキュアを試しにソールへ塗ってみたところイメージにぴったりとはまった、というのがレッドソール誕生のきっかけと言われています。

今やルブタンのアイコンであるレッドソールに、そんなエピソードがあったとは驚きですね!

                     

2.今回のお修理品はこちら

さて、今回お客様からお預かりしたのはこちらです。

                     

                     

ベージュにメタリックブルーが映える1足ですね。

上の写真だと一見問題なさそうに見えますが、実は…

                     

左足はこのようになっていました。

ヒールパーツが根元から取れてしまっています。

加えて、ヒールパーツの色ハゲも。

「友人の結婚式の帰り道に、折れてしまったんです。」とお客様から伺いました。

お怪我はなかったようなので一安心ですが、せっかくのハイヒールをこのままにしておくわけにはいきません。

今回は、「ヒールの固定」と「ヒール部分の色ハゲ修理」を承りました。

                     

3.修理工程、お見せします(動画あり)

3-1.ヒールの固定

                     

                     

これは、ヒールが固定されていた本体をソール(靴底)側から見た写真。

計6本、釘の先端が見えていますね。

通常ヒールパーツというのは、本体側から釘を打ちこみ固定します。

お預かりしたこの商品は、その釘からヒールパーツが外れてしまった状態だったのです。

                     

                     

本体の中敷きをはがしてみると、釘の頭が見えました。

ヒールを再固定するには、釘を新しいものに変えて打ち込み直す必要があります。

                     

<釘にもたくさんの種類があります>

釘の太さや長さは、商品のヒールの厚みなどによって変えます。

長すぎる釘を使用して固定しようとすると、最悪の場合釘の先がヒールを突き破ってしまう恐れも…。

しかし、REFINEの職人は商品から多くの情報を読み取りその都度ベストな選択を行っていますので、安心してお預けください!

さて、ヒールの固定が終了したので次の工程を見ていきましょう。

(*ヒール固定直後の写真は、後ほどご紹介します)

                     

3-2.ヒールの色ハゲ修理

次はヒールの色ハゲ修理。

今回は、「補色」という修理で対応させていただきました。

(「補色」についてはこちらのページでご紹介しています。→財布などの角、色が剥げてきていませんか?新品のように綺麗になります!【グッチ バッグのお修理】 

特別に、REFINEが誇る「色のスペシャリスト」の作業中にお邪魔させてもらいましたので少し手元をお見せします!

まずは「調色」という作業から。

                     

                     

このように、様々な種類を絶妙な配合で混ぜ合わせて思い通りの色を作っていくのですが…これが、本当に難しいのです。

筆者も入社して間もないとき、簡単な色を作らせてもらったことがあります。

しかし、なかなか想像と実物の色が合わず膨大な作業時間がかかってしまい、最後は先輩職人にフォローしてもらいました。

                     

作業している時間帯や部屋の照明によっても、色の見え方は全く変わります。その都度、状況に合わせて必要な色を作っていく必要がある、というのがこの仕事の難しいところだと思います。

と、今回の担当職人からコメントをもらいました。

色々なことを考慮しつつぴったりの色を素早く作る…これはREFINEの「色のスペシャリスト」だからこその技術だと、撮影中に改めて感じました。

                     

次は、塗布作業です。

                     

                     

剥げている部分の形に合わせ、細かく筆の動かし方を変えているのがお分かりいただけるでしょうか。

色をのせた部分だけが強調されないように、周囲となじむ境界線を見極めながら作業しています。

その後はドライヤーで乾かし、「表面に凹凸ができていないか」「色ムラが無いか」などを確認して、完成です!

                     

4.修理完了です

                     

                     

ヒールがしっかりと固定されました。

                     

                     

色が剥げていた部分も、元の状態が想像つかないほどのクオリティで仕上がっています!

お気に入りの1足を履いて、これからも素敵なお出かけをしていただきたいと思います。

                     

5.まとめ

お修理品がお客様のお手元に戻るまでの流れは、

リペアスタジオREFINEのアトリエにお修理品到着→見積もりご連絡→お客様に了承をいただいてからお修理スタート→出来上がり次第発送

です。

私たちは、お預かりした商品に「復元」を施してお返しすることを目標としています。

大切なものにトラブルが起こった際は、ぜひリペアスタジオREFINEへお任せください!

                     

また、Twitterにて様々なお役立ち情報・リペアスタジオREFINEについて等、発信しています。

よろしければご覧ください!

                     

それでは、また次のPageでお会いしましょう。

Page.22

PAGETOP