2020.09.07
こんにちは。リペアスタジオREFINEです。
今回は、エキゾチックスキンの魅力part.2をお送りします。
普段目にする機会が少ない革も出てきますので、どうぞお楽しみください。
目次
1.ダチョウ
「飛べない鳥」ダチョウの革は、オーストリッチと呼ばれます。
鳥類で唯一量産が可能で、強靭な革質を持ち重厚なイメージ。
クイルマークという、毛穴が作り出す水玉のような模様が特徴です。
そんなオーストリッチの仕上げ方は大きく分けて2通り。
クラシックフィニッシュ:クイルマークを革と同じ色で染める方法
サドルフィニッシュ:クイルマークを強調して仕上げる方法
その他に、クイルマークの凸凹を一定方向に流れるように染色したデニム染めや、クイルマークが白く輝くパール仕上げ等も。
ダチョウは胴体に加えて、脚部も革として利用されます。
脚部の革はオーストレッグという名前で流通しており、爬虫類のような鱗状の模様が特徴。
<オーストレッグ>
2.サメとエイ
2-1. サメ
サメ革はシャークと呼ばれ、比較的水に強い革として知られています。
サメ肌の由来にもなっている楯鱗(じゅんりん)という表皮はサンドペーパー代わりに使用されるほど硬いのですが、これを塩酸で処理した後に鞣すことによって、やっと革として利用できるようになるのだそう。
養殖が難しいサメの野生個体から傷が少ない綺麗な部位を確保するのは困難を極める為、希少価値が高いといわれています。
細かな帯状のシボが特徴で、溝の深さはそれぞれ異なり同じものは一つとしてありません。
さらに、繊維が密なのでしなやかで丈夫という性質を持ち、傷がつきにくく使い込んでいくほどに艶がでるので経年変化を楽しめる革です。
基本的に革製品は仏事で敬遠されますが、海水で清められているという理由から冠婚葬祭でも使用できる場合があるようです。
2-2.エイ
英語ではスティングレイ、フランス語ではガルーシャ、その他にもシャグリーンという呼ばれ方をするエイ革。
宝石を敷き詰めたような見た目から「泳ぐ宝石」とも。
表皮を取り除くと、リン酸カルシウムで構成される小さい粒状の楯鱗に覆われています。
このリン酸カルシウムは人間の骨や歯と同じ成分。
その硬さから、牛革の10倍の強度があるとも言われています。
「スターマーク」と呼ばれる斑点状の模様が特徴です。
<中央に見えるのがスターマーク>
3.その他
3-1.アブラウナギ
「ウナギ」と名前についていますが、普段私たちが口にしている食用ウナギとは別物。
イールスキンと呼ばれ、その大きさと軽さから小物やハンドバッグに使われます。
3-2.アフリカゾウ
厚くて丈夫なことが一番の特徴。
鼻・耳・ボディのそれぞれで特有のシボが見られ、摩擦にも強く耐久性が高い反面しっとりと柔らかい手触りです。
現在は、アフリカのジンバブエでのみ生体保護を目的とした流通が限定的に許可されているそうです。
3-3.アザラシ・オットセイ
海に住む哺乳類で、海獣に分類されます。
毛を脱毛したアザラシ革とオットセイ革の表面はとても良く似ていますが、少しだけ違いがあるようです。
ハープシール:タテゴトアザラシ
主に毛皮用で、防寒衣や防寒靴に使用。
頭から尾に向けて、独特なうね模様が見られます。
1歳まではビーター(ヤングシール)、1~4歳はベッドラマ―(ミドリング)、4歳以上はオールドハープ(サドラー)という名称で呼ばれることもあります。
ケープシール:ミナミアフリカオットセイ
ハープシールによく似ていますが、それよりやや小さい波模様が特徴です。
3-4.カバ
滑らかで厚い上皮・真皮・薄い表層からなり、表層を取り除いて鞣すので銀面は起毛立ったような風合いになります。
耐久性や耐水性に優れており、網目状の深いしわが特徴。
3-5.ペッカリー
ペッカリーの革については「革の基礎 ~牛革と豚革【カーフやピッグスキンなど”種類”とそれぞれの”特徴”】でおはなししていますので、よかったらご覧ください。
3-6.カメ
タートルレザーと呼ばれるカメ革は、ワニ革と風合いが似ています。
ですが、ワニ革と違って斑がアンバランスな配置のため、人工的には再現できない個性が魅力。
現在はワシントン条約により新たにカメ革を作ることは不可能なので、大変貴重な素材です。
4.まとめ
page.8、page.9と続けてエキゾチックスキンについておはなししてきました。
いかがでしたでしょうか?
ポピュラーな牛革や豚革とはまた違った、個性的な魅力が満載なエキゾチックスキン。
ワシントン条約や種の保存法の関係で最近は流通量が減りつつありますが、見かけた際はこのおはなしのことを思い出していただければ幸いです。
それでは、また次のページでお会いしましょう。
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