革についたボールペン汚れを綺麗に消したいならプロがおすすめの理由

2022.04.06


革バッグにボールペンを入れておいたら、いつの間にか芯がでてバッグの内側にインクがついていた…

革財布をテーブルの上に出しておいたら、子どもにボールペンで落書きされてしまった…

そんな風にお困りではありませんか?

                     

結論から言うと、革のボールペン汚れは、自分で対処せずプロにまかせるのがおすすめです。

なぜなら、自分で対処してしまうと

・革の色も落ちてしまった…

・汚れがぼやけて広がってしまった…

といったトラブルが起きてしまう可能性が限りなく高いからです。

                     

そもそも、インターネットには【自宅にあるもの】で革についたボールペンを消す様々な方法が載っていますが、その方法で実際に消してみた「結果」を一緒に載せているサイトはあまり見かけません。

だからこそ、とりあえず紹介されている方法や道具でやってみて、上の例のように状態が悪化してしまった…なんて場合があるのです。

そこで今回は8種類の【自宅にあるもの】でボールペン汚れを消したらどうなるのか検証を行い、その「結果」をありのままにまとめました。

その「結果」を見れば、【自宅にあるもの】を使用した場合、革についたボールペン汚れが〈どの様に〉〈どの程度〉落ちるのかお判りいただけるでしょう。

                     

また、修理のプロの一例として我々リペアスタジオREFINEでのボールペン汚れの修理方法も、併せてご紹介しています。

・どういった方法でボールペン汚れに対処するのか

・どのような仕上がりになるのか

しっかりプロとしての情報もお伝えしていきますので、参考になさってください!

                     

つまり、このコンテンツには

・革についたボールペン汚れを綺麗に消したいならプロがおすすめの理由

・8種類の【自宅にあるもの】で革についたボールペンを消せるかの検証+それぞれの結果

・プロに依頼した場合のボールペン汚れの修理方法と仕上がり

がまとめられており、これを読めば「革にボールペンがついてしまった悩み」を解決する糸口がきっと見つかるでしょう!

是非最後までご覧ください!

                     


                     

1. 革についたボールペン汚れを綺麗に消したいならプロがおすすめの理由

お気に入りの革製品についてしまったボールペン汚れを綺麗に消したいのなら、自分で対処せずプロに頼むのがおすすめです。

                     

その理由はたった一つです。

それは、「自宅で対処すると今より状態が酷くなるリスクが高いから」です。

                     

例えば、革についたボールペン汚れをプロが消す場合、

・ボールペン汚れの範囲

・ボールペン汚れの染みこみ具合

・ボールペンの種類

など多くの条件によって、消し方や使用する専用道具を細かく変えていきます。

つまり、一つ一つの商品状態に合わせた最適な方法や道具を選択しているのです。

                     

しかし、もし自宅で対処するとなった際には、インターネットで検索して出てきた方法や道具が情報源となりますよね。

とりあえず載っている方法や道具でやってみて綺麗に消せた場合はかなりラッキーですが、状態にあっていない方法や道具を使用して

・革の色が落ちてしまった!

・ボールペン汚れがにじんで広がってしまった!

・こすった跡が残ってしまった!

なんて悲劇が起こる確率はとても高いと思います。

                     

つまり、商品の状態にあった適切な方法や道具を使用しないと革についたボールペン汚れはひどくなってしまう確率が高いので、綺麗に消したい場合は自分で対処せずプロに依頼するのがおすすめ、ということです。

                     

                     

                     

2. 自宅にあるもの8種で革についたボールペンを消すとどうなるのかプロが検証してみた結果【写真あり】

さて、この章では

【自宅にあるもの】を使用してボールペン汚れを消すとどうなるのか?

という検証の結果をまとめました!

                     

今回の検証条件は以下の通りです。

                     

・ベージュ(薄い色)

・ブラウン(濃い色)

の2色の革を使用して

それぞれ8枚ずつ

サンプル作製

                     

1枚ずつ

・油性ボールペン

・水性ボールペン

で、線を引く

                     

5日乾かす

                     

以下8種類でそれぞれ線を消す

A.消しゴム

B.メラミンスポンジ

C.アルコールシート

D.水

E.中性洗剤

F.クレンジングオイル

G.除光液

H.革用クリーム

                     

さて、それぞれのサンプルを8種類の道具で消してみた結果を、以下の表にまとめました。

×は「消えていない」仕上がり、△は「まあまあ消えた」仕上がりを表します。

                     

使用した道具

仕上がり
ベージュの革 ブラウンの革
油性 水性 油性 水性
消しゴム × × ×

メラミンスポンジ

× × ×

アルコールシート

× × ×
× ×
中性洗剤 × ×
除光液 × × × ×

クレンジングオイル

× × ×
革用クリーム × × × ×

                     

では、1つ1つの結果を実際の写真で見ていきましょう!

                     

                     

                     

2-1. 消しゴム(わずかな色落ちあり)

ベージュもブラウンも、油性は結構薄くなりましたが、やはり残ってしまいました…。

水性はそれよりもくっきりと残っていますね。

加えて、検証後にボールペン汚れをこすった消しカスを見ると、革の色がうっすらついていました。

つまり、ボールペン汚れと一緒に革の色も落ちている、と推測できます。

表面が弱い革だと、もっと色落ちの度合いが激しくなるかもしれません。

                     

                     

2-2. メラミンスポンジ(わずかな色落ちあり)

消しゴムと同様、油性は結構薄くなっているように見えます。

しかし、ボールペン汚れ周辺の革の色も少し薄くなっているのがおわかりいただけるでしょうか。

そもそもメラミンスポンジというのは、対象物の表面を「削って」汚れを落とすものです。

その為、革の表面が削れてしまった結果、ボールペン汚れ周辺の色も薄くなってしまったと考えられます。

水性の方は、遠目にもはっきりわかってしまう残り方をしました。

                     

                     

2-3. アルコール除菌シート(にじみ・色落ちあり)

ベージュ・ブラウン共に、油性は色がにじんで周辺に広がってしまった上に、あまり薄くもなりませんでした。

水性の方が良く消えましたね。

ブラウンの水性は、よく見ると消えていないのですが、革の色が濃いこともあり遠目から見るとわからないかもしれません。

ただ、こすった後のアルコールシートを見ると革の色がついていたので、こちらも色落ちをしていると考えられます

革の種類によっては、もっと色落ちをしてしまうかもしれませんね…。

                     

                     

2-4. 水(わずかにこすり跡残り)

油性の方は一生懸命こすりましたが、特にベージュではほとんど意味がありませんでした。

しかし水性は、その名の通り水である程度まで消すことができました。

しかし、ベージュは毛穴にボールペン汚れが詰まり、ブラウンはこすった跡が残ってしまいましたね…。

水が染みこんでシミになりやすい革もあるので、そういった革だともっと顕著に跡が残るかもしれません。

                     

                     

2-5. 中性洗剤(にじみあり・こすり跡残り)

油性・水性、どちらも微妙な落ち方をしました。

台所用洗剤を使用したので、油性の方が落ちやすいかと思いましたが、そうでもなかったようです。

また、ブラウンに関しては水同様にこすった跡が残りましたね…。

                     

                     

2-6. クレンジングオイル(わずかな変色あり)

今回使用した8種類の中で、油性も水性も同程度落ちたのがクレンジングオイルでした。

人の肌に使用するものなので、優しく効果的に汚れを落としてくれるのかもしれませんね。

ただ、あくまでも「オイル」なので、革の繊維に入り込み、シミになってしまうこともあるでしょう

実際ブラウンを良く見ると、ボールペン汚れ周辺の革の色が少し濃くなっているのがお判りいただけると思います。

                     

                     

2-7. 除光液(大幅な色落ちあり)

革についたボールペンの消し方を調べると、よく除光液の使用を勧めるコンテンツを見ますが、革に除光液は「NG」です。

なぜなら、上の写真でお判りいただけるように、革の色落ちが酷いからです。

検証中、わずかな量の除光液でも、みるみる革の色が落ちていきました。

ネイルなどで除光液を使用する際は、周囲に皮革製品が無いか十分にお気を付けくださいね。

                     

                     

2-8. 革用クリーム(こすり跡残り)

ベージュよりもブラウンの方が薄くなりましたが、消えたとはいえません。

しかし、水性の方はかなり薄くなった印象です。

ただ、こちらもこすった跡が残ってしまい、結果的に目についてしまう仕上がりとなりました。

                     

                     

                     

以上が、【自宅にあるもの】でボールペン汚れを消してみた「結果」です。

いかがですか?

革には色々な種類があるので、一概にこのような結果になるとは言えません。

しかし、今回に「近しい結果」になることは間違いないでしょう。

やはり総合的に見ると、【自宅にあるもの】を使用して、綺麗にボールペン汚れを消すのは難しそう、という印象ですね。

それでは次に、プロに依頼した場合、革についてしまったボールペンをどうやって消すのかご説明します!

                     

                     

                     

3. プロによる革についたボールペンの消し方とお修理事例

この章では、プロの代表としてREFINEでのボールペン汚れの修理方法とお修理事例をご紹介します。

                     

REFINEには、ボールペン汚れに対して以下2つの修理方法があります。

・汚れ取り

・染め直し

                     

                     

REFINEにボールペン汚れの修理が来た場合は、まず「汚れ取り」を施します。

「汚れ取り」はその名の通り、ついてしまった汚れを道具(薬剤など)によって取り除く修理です。

・ボールペン汚れの範囲

・ボールペンの染みこみ具合

・ボールペンの種類(水性/油性)

を判断して最適な道具と方法を選択しますので、色落ちすることなくボールペンのインクだけ綺麗に取ることができますよ!

                     

汚れ取り

基本料金:¥3,850~

                     

                     

ただし、ボールペンのインクが付いてから時間が経ち、革の繊維の奥まで染みこんでしまっている場合は「汚れ取り」で完全に落とすことができません。

その際は、革の上から色を乗せることによってボールペンの汚れを隠す「染め直し」という修理を施します。

「染め直し」を大きく分けると

・小範囲の染め直しは「補色」

・中範囲の染め直しは「ぼかし染め」

・商品全体の染め直しは「全体染め」

以上3種類です。

これら「染め直し」は、ついてしまったボールペンのインクをなるべく落としてから、その部分を中心に周囲の革の色と同じ色の塗料で染め上げます。

その為、「汚れ取り」で取り除けなかったインクも隠すことで見えなくすることができますよ!

*革の上に塗料を乗せるため、部分的に手触りが硬くなることもあります。

                     

修理メニュー 値段 目安範囲
補色

¥3,850~

1箇所
ぼかし染め ¥15,400~ 10㎝×10㎝
全体染め ¥33,000~ 縦20㎝×横25㎝×奥行10㎝のバッグ

                     

                     

さて、それでは実際の修理事例を紹介します。

                     

エルメス バッグ 

症状:バッグの裏側にボールペン付着+周囲の色落ち

修理内容:ぼかし染め

修理料金:¥15,400(税込み)

                     

こちらはエルメスの商品で、

ボールペンがついたので、慌てて落とそうとしたところ周辺の革の色も落ちてしまいました…

とお客様からご依頼いただいた事例です。

修理内容は「ぼかし染め(中範囲の染め直し)」で承りました。

すっかりボールペンのインク汚れも色剥げも綺麗になっていますね!

                     

                     

つまり、REFINEであれば

・最適な道具でついてしまったボールペンのインクのみ落とす「汚れ取り」

・革の奥まで入り込んでしまったボールペンのインクを隠せる「染め直し」

で、革についたボールペンを消すことができるでしょう!

                     

                     

                     

4. REFINEがボールペンのついた革製品修理におすすめの理由

REFINEがボールペンの汚れを消すのにおすすめの理由は「年間6000本の汚れ取りと年間5000本の染め関連修理実績に伴った多くの経験と知識を持つ専門のチームが存在するから」です。

                     

                     

まず、「汚れ取り」には汚れの種類や付き方によって最適な方法があり、その方法を間違えると革に重大なダメージを与えてしまいます。

その為、十分な知識と経験がないまま、自宅で汚れ落としを行うと

・汚れと一緒に周辺の色が落ちてしまった…

・汚れが広がるだけで一向に落ちない…

なんてことが起こってしまうかもしれません。

つまり革のボールペン汚れは、正しい知識で最適な方法を選択し、確かな技術力で対処できる経験豊富なプロにまかせるのが確実、ということです。

                     

                     

また、「染め直し」は、汚れ部分を周辺と同じ色に染める修理です。

周辺と同じ色に染めるには、その色を「作る」必要がありますよね。

その際には、「このバッグにはこの色が使用されている」といった色見本は一般的に存在しませんので、目の前の商品のみを参考に

・使用する色

・配合率

などを決定しなければなりません。

よって、「染め直し」した部分がわからないほど高いクオリティで仕上げるためには、それまでの知識と経験から的確な判断をするする必要がある、ということがお判りいただけるでしょう。

その点、REFINEには「染め直し」を専門とするプロフェッショナルなチームが存在します。

つまり、年間5000本という圧倒的な染め関連修理実績に基づく経験と知識を日々蓄積し、技術力の向上に努めているREFINEの専門チームにお任せいただければ、質の高い仕上がりでお手元にお返しできます。

                     

                     

まとめると、「汚れ取り」や「染め直し」に関して豊富な修理実績を持つREFINEだからこそ、革についてしまったボールペン汚れを高いクオリティで綺麗することができるというわけです!

                     

                     

5. 革についたボールペン汚れのお修理でよく聞かれるQ&A

革についたボールペン汚れのお修理では、

どんな革でも「汚れ取り」や「染め直し」はしてもらえるの?

という質問を頻繁にいただきます。

                     

しかし、「汚れ取り」「染め直し」のそれぞれ、以下の革については承ることができません。

汚れ取り エナメル・ダメージが強い革(表面が割れている/色剥げが激しいなど)
染め直し エナメル・起毛している革(スエードやヌバックなど)・エキゾチックレザー(クロコダイルなど)

                     

まず、エナメルというのは革の表面にツヤの膜が作ってあります。

その膜に汚れが入り込んでしまうと、「汚れ取り」は行えません。

また、染め直しは上から色を乗せる修理です。

その為エナメルに対して染め直しを行うと、膜の上に塗料が乗ってしまうので、特徴であるツヤが薄くなってしまいます。

                     

また、表面にひび割れが見られたり色剥げが激しい革は、ダメージが多く蓄積されています。

その為、普段なら影響のない「汚れ取り」の方法でもダメージが進行し、状態がひどくなってしまう場合があります。

                     

加えて、起毛している革やエキゾチックレザーなどのように「表面が特徴的な革」に関しては、「染め直し」で上から色を入れると表面の濃淡が変化して、見た目に変化がでる場合があります。

                     

以上の理由から、「汚れ取り」「染め直し」に関して承れない革も有りますので、ご了承ください。

                     

                     

6. まとめ

今回のまとめです。

                     

・革についたボールペンは自宅で対処するとひどくなってしまう確率が高いので、プロにまかせるのがおすすめ!

・プロにまかせた場合、「汚れ取り」か「染め直し」で綺麗になる

・革についたボールペン汚れは、「汚れ取り」と「染め直し」の豊富な修理実績があり専門のチームがあるREFINEがおすすめ!

                     

このコンテンツを通して、あなたの「革についてしまったボールペン汚れ」についての悩みが解決すれば幸いです!

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