プロが教える!噛んでしまったファスナーを動かすための緊急対処法

2021.07.08

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出かける直前にファスナーが突然閉まらなくなった経験、ありませんか?

また、ファスナーを閉めたはずなのに開いてきてしまうなんてこと、ありませんか?

私も何度も身に覚えがあります。

                       

ファスナーって本当に突然閉まらなくなりますよね。

鞄の持ち手なら切れそうになっている段階で使用を中止することができますし、靴の底なら「すり減ってきたな」と思った時点で履くのをやめられますが、ファスナーの場合そうはいきません。

唐突に、心の準備をする間もなく、閉まらなくなるのです。

                       

そこで今回は、ファスナーの修理経験5000本以上の職人”FIX石川”が突然ファスナーが閉まらなくなってしまった時に実際に行っている緊急対処法を、本人監修のもとご紹介します。

これから紹介する方法は、誰でも簡単に行えるのはもちろん、一般には公開されていない「職人としての工夫」を加えたオリジナルの方法です。

この対処法を実行していただければ、あなたのファスナーは必ず動くようになるでしょう。

                       

そもそも、ファスナーが閉まらなくなるのは以下の2パターンが考えられます。

・閉めても開いてしまう

・噛みこんで動かない

今回このコンテンツでは、どちらの対処法も紹介しています。

道具が必要になる方法もありますが、即行動していただければ10分以内にあなたのトラブルは解消できるでしょう。

                       

さあ、このコンテンツを読んで、あなたのファスナーをスムーズに動かしましょう!

                       

記事監修
職人 石川良(FIX石川 )

職人 石川良(FIX石川)

2007年入社。職人歴14年
「すべてをFIX(修理)する」の信念で活躍中。
年間の修理本数は6000本以上で、セクションリーダーを務める。
趣味は、洋服・靴・鞄の制作。
家の一角を工房化するほど、根っからの職人気質。
日々技術の研鑽を怠らない。

                       

                       

1.ファスナーが閉めても開いてしまうときの緊急対処法

                       

                       

上の動画のように、閉めているはずなのにファスナーが開いてきてしまう場合、たった3つの手順で解決することができます

                       

①手元にラジオペンチを用意し、セロハンテープを巻く

②そのラジオペンチを使用して、スライダーの隙間を閉める

③ファスナーがちゃんと動くことを確認する

                       

そもそも、ファスナーというのは

・ファスナーテープ

・スライダー

・エレメント

大きく分けると、この3つで構成されています。

それぞれを下図に表しましたので、参考にしてください。

                       

                       

それでは、各手順の詳しいやり方と、注意点を解説していきます!

                       

1-1.手元にラジオペンチを用意し、先端にセロハンテープを3~4巻きする

作業する際、ラジオペンチがスライダーに直接当たらないように、「先端にセロハンテープを3~4回巻いたラジオペンチ」 を用意しましょう

                       

                       

スライダーは傷つきやすいパーツです。

その為、金属製のラジオペンチでそのまま力をかけると、簡単に傷が入ってしまうのです。

                       

                       

≪何も巻かないペンチで閉めた直後≫

                       

また、そのままスライダーを締めようとすると、ラジオペンチの先端が滑って危険です。

もしその時テープが巻いて有れば、滑り止めとして働いてくれますよ。

                       

せっかくファスナーが閉まるようになっても、傷が入ってしまっていたら残念ですよね。

そうならない為にも、作業をする前に必ず一工夫しましょう

                       

FIX石川のポイント:スライダーに傷を入れないために、ラジオペンチにセロハンテープを巻こう!

                       

1-2.スライダーの後ろをやさしくゆっくり閉める

スライダーの後ろは、ゆっくり少しづつ閉めるのがコツです。

                       

                       

                       

ファスナーは、左右のエレメントをスライダーが噛み合わせていくことで閉まっていきます。

つまり、ファスナーを閉める方向に動かしているのに閉まらないのは、エレメントが噛み合っていないからです。

では、なぜ噛み合わないのか?

それは、スライダーの「開き」が原因です。

                       

                       

スライダーの後ろ(赤枠)の部分が開いていると、左右のエレメントを引き寄せて噛み合わせる力が不足し、結果的に閉めても開いた状態になってしまうわけです。

その為、スライダーの後ろを閉めてあげればファスナーは正常の動きに戻ります。

実際に閉める際は、スライダーに対してラジオペンチを斜めに入れると閉めやすいですよ。

                       

*わかりやすいように、何も巻いていないラジオペンチで撮影しています

                       

ここで気を付けてほしいのは、「ゆっくり少しずつ」閉めるという点。

なぜなら、閉められるだけ閉めてしまうと、スライダーがファスナーテープを強く挟んで動かなくなるリスクが考えられるからです。

                       

スライダーを閉めるときは、様子を見ながら慎重に少しずつ閉めていくことを心がけてくださいね。

                       

1-3.ファスナーが動くことを確認

スライダーを閉め終わったら、必ずファスナーの動きを確認しましょう。

1-1と1-2を確実にこなしてもらえれば、あなたのファスナーはすっかり元通りの動きになっているはずです!

                       

ただ、ここで注意点を一つ。

スライダーの開きは、使っているうちに再発します

要するに、また「閉めても開いてくる」状況が発生する、ということです。

その時はまたこの対処法で乗り切っていただいてもいいですが、修理後に使用1~2回で再発するようになったら、流石にスライダーの交換を検討してください。

スライダーを新しく変えることで「開き」は格段に起こりにくくなりますので、時間と手間をかける必要もなくなりますよ。

                       

1-4.実際に閉めても開いてしまうファスナー修理動画はこちら!

                       

                       

                       

2.ファスナーにものが噛みこんで動かないときの緊急対処法

今回は、ファスナーにものが噛みこんでしまった場合の「基本的な対処法」を、洋服を用いて紹介します。

                       

                       

この基本を押さえておけば、様々なパターンに対応可能ですので、覚えておきましょう。

ファスナーにものが噛みこんでしまった時は、基本的に以下4つの手順で解決します。

                       

①噛みこみの深さを確認する

②スライダーの動かす方向を決定する

③スライダーを動かすと同時に、噛みこんでいるものを取り除く

④ファスナーがちゃんと動くことを確認する

                       

それでは、1つずつ見ていきましょう!

                       

2-1.噛みこみの深さを確認する

噛みこんでしまった時はまず、

・浅く噛みこんでいるのか

・深く噛みこんでいるのか

を確認してください。

                       

                       

噛みこみ具合によって、この後スライダーを動かす方向と噛みこんでいるものを引っ張る方向が変わります。

対処する前にまずは、どのように噛みこんでいるのか確認しましょう

                       

2-2.スライダーの動かす方向を決定する

噛みこみの深さを確認したら、今度はスライダーを動かす方向を決定します

                       

①浅く噛みこんでいる場合は、噛みこみが浅い方向に動かす

スライダーの半分くらいまでに噛みこみが留まっているときは、噛みこみが浅い方にスライダーを動かします。

例えば、下の写真のような場合。

                       

この場合は、これ以上巻き込まれないように、開ける方向にスライダーを動かすべきです。

巻き込まれている量が少ない方へ、スライダーを動かしましょう

                       

②深く噛みこんでいる場合は、ファスナーを「開ける」方向にスライダーを動かす

スライダーの下に噛みこんだものがしっかりと入り込んでしまったら、ファスナーを「開ける」方向に動かします。

                       

                       

スライダーの構造上、閉めていくと余計噛みこんでいく傾向にあるので、この場合は開ける方向にスライダーを動かすのが正解です。

このように、浅く噛んでいるか深く噛んでいるかで動かす方向が変わりますので、写真を参考に見極めてくださいね。

                       

2-3.スライダーを動かすと同時に、噛みこんでいるものを取り除く

スライダーを動かすと同時に、必ず噛みこんでいるものを横にそらしながら取り除きましょう

                       

ただスライダーを動かすだけでは、噛みこんだ状態は解消されません。

むしろそのまま無理に動かして、挟まったものにダメージが入ってしまうこともあります。

スライダーを動かすと同時に、ファスナーの外側に向けてものを逃がしましょう。

                       

                       

                       

そうすることで、噛みこんでいたものが取り除けるはずです。

                       

スライダーは、必ず噛みこんでいるものを逃がしながら動かしましょう。

FIX石川のポイント:噛みこんでいるものは必ず横に逃がしてあげよう!

2-4.ファスナーが動くことを確認

噛みこんでいたものが取れたら、確実にファスナーが動くか確認しましょう。

2-1~2-3の注意点をしっかり踏まえながら行っていただければ、噛みこんだファスナーが動くようになっているはずです!

                       

2-5.実際に噛みこみを修理している動画はこちら!

                       

                       

ただ、ここでも注意点を一つお教えします。

ファスナーの噛みこみは、一度起こると同じ箇所で再発する可能性が高いです。

なぜなら一回噛みこむと、その部分の生地が伸び、噛みやすい状態になっているからです。

また、噛みこみを繰り返すたびに生地は傷んでいきますので、最終的に破れてしまうことも考えられます。

そうなる前に一度修理店に相談するのも、お気に入りのアイテムを長く使用する手段の一つですね。

                       

                       

3.まとめ

今回の内容のまとめです。

・閉めても開いてくるファスナーは、スライダーを締めることで元通りになる

・噛みこんでしまったファスナーは、最適な方向にスライダーを動かしながら噛みこんだものを逃がしてあげることで、再び使用できる

・どちらの場合も再発が続くようなら、修理を依頼するべき

                       

このコンテンツが、一人でも多くの「ファスナーが閉まらなくて困っている人」の助けになれば幸いです!

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