ファスナーは大きく分けて3種類!各パーツの名称も解説します

2020.10.14


こんにちは。リペアスタジオREFINEです。

                     

バッグや財布のファスナーが閉まらなくて、使えなくなっていませんか?

お店に相談したいけど、パーツの名前がわからず説明にお困りではありませんか?

                     

今回は、ファスナー修理と意外と知らない各パーツについてのおはなし。

                     

「ファスナーの引っ張るところが取れたけど、ここの名前は?」

「閉じても噛み合わないで開いちゃうんだけど、これって直る?」

                     

このおはなしを読み終えたときには、ファスナーについてのお悩みがきっと解決しているでしょう!


1.そもそも、ファスナーって何?

                     

                     

<Please fasten a seat belt.>

飛行機で良く聞くフレーズですね。

実はこの「fasten」がファスナーの語源。

ファスナーとは「締めるもの」という意味を持ち、構造上3つに分けられます。

                     

工業用ではボルトや釘、衣料用ではスナップボタンなど、点で留めるタイプの「点ファスナー」

いわゆるマジックテープと呼ばれる、面で留めるタイプの「面ファスナー」

一般的にファスナーやチャック、ジッパーとして知られている「線ファスナー」

                     

ちなみにジッパーというのは、1921年にアメリカのメーカーが使用したことにより広まったそう。

また、チャックは完全なる和製英語で、「巾着(きんちゃく)」からもじって作られた造語です。

ここからは、線ファスナーのことを「ファスナー」とし、おはなしを進めていきます。

                     

                     

2.ファスナーについてご説明します

2-1.写真でみるパーツの名前

よく見ると沢山のパーツからできているファスナー。

それぞれの名前についてご紹介します。

                     

スライダー

                     

<動く部分がスライダー>

                     

                     

エレメント/ファスナーテープ

                     

<噛み合うパーツをエレメント、エレメントがついている部分をファスナーテープと呼びます
写真:オレンジ部分がエレメント、黄色点線の部分がファスナーテープ>

                     

                     

引手(別名:ファスナートップ)

                     

<スライダーについている、引っ張る部分は引手>

                     

写真には金属タイプのみ載っていますが、革やその他の素材で作られたものもあります。

素材によって強度は異なりますが、力がかかる部分なので、スライダーとの接続部分(輪っかの部分)が折れてしまうことが多いですね。

                     

                     

上止め/下止め

最後まで閉めようと思ったら、そのままスライダーが抜けてしまった…なんてことありませんか?

それは、おそらく上止めと呼ばれるスライダーのストッパーとなるパーツが外れてしまったからでしょう。

このように、上止め/下止め、は「ファスナーテープからスライダーが抜けてしまうのを防ぐため」つけるパーツです。

エレメントの始まり部分と終わり部分に、ファスナーテープを挟み込んで潰すように取り付けます。

                     

<潰す前の上止め>
<潰す前の下止め>
<上止めをつけた状態>
<下止めをつけた状態>

                     

                     

2-2.エレメントの素材は、分けると大きく3つ

メタル(金属)

                     

                     

昔からあるタイプで、エレメントが金属でできているファスナーの総称。

しっかりしたバッグ、ポーチ、ジャンバーなどに使用されます。

エレメント部分は丹銅・洋白・アルミなどで作られており、厚手の生地や金属の風合いを生かしたデザインの商品向けです。

                     

                     

コイル(樹脂)

エレメントが樹脂でできたファスナーの総称。

さらに、特徴によって大きく3つに分けることができます。

                     

①スタンダード

金属ファスナーやビスロンより柔軟性があり、全般的にどの箇所でも使用できます。

                     

②コンシールファスナー

エレメント部分を隠せるのが特徴。

閉じた際にエレメントが見えないので、ワンピースやドレスなどレディース商品で登場頻度が高い傾向にあります。

                     

③止水ファスナー

テープ部分にポリウレタンフィルムをラミネートし、止水性を持つファスナー。

バッグ・スポーツタイプの服などに使用されることが多い印象です。

                     

↓止水ファスナーを使用した商品のお修理紹介↓

「ベルルッティのポーチを修理しました!知ってほしいベルルッティの魅力と、止水ファスナーのおはなし」

止水ファスナーについてもっと詳しく知りたい方は是非ご覧ください!

                     

その他、EFLONファスナー(エレメントを直接テープに織り込み、通常のコイルファスナーより薄くて耐久性に優れている)、FLATKNITファスナー(ニットテープにエレメントを編み込み、薄さと柔らかさを実現したファスナー)などもあります。

                     

                     

ビスロン

                     

                     

別名はプラスチックファスナー。

樹脂をエレメントとして「射出成型」したファスナーのことを指します。

射出成型とは、熱して溶かした材料を金属でできた型に送り込み、冷やし固めることによって完成品を得る方法。

樹脂に顔料を直接練り込み、テープとエレメントのカラーに差をつけることなく作製できるので、色の種類が豊富という特徴があります。

加えて、生地に色を合わせやすいというメリットも。

また、動きが滑らかなのでブルゾンやパーカー、バッグなど使用用途は多いです。

                     

                     

2-3.メーカー別のスライダー紹介

YKK

                     

                     

日本を本拠地とした世界一のファスナーメーカー。

ご自分の洋服やバッグについているファスナーを見てみてください。

スライダーや引手に「YKK」というロゴが刻印されていませんか?

YKKは、日本で95%、世界でも45%のシェアを誇り、比較的安価な値段で手に入れることができます。

一方で、エレメントが一つ一つ研磨され圧倒的な滑らかさが特徴の「エクセラ」という高級ファスナーもあります。

                     

                     

Lampo(ランポ)

                     

                     

LANFRANCHI社のファスナーメーカー。

1887年創業の歴史あるイタリアの会社で、有名ブランドでも多く使用されています。

輝くようなメッキ加工とカラーバリエーションの豊富さから、世界一美しいファスナーと言われることも。

個性的なデザインのファスナーも数多く取り扱っています。

                     

                     

riri(リリ)

                     

                     

1923年にドイツで創業。

スイスのブランドですが、社名の由来はドイツ語の凹凸を表す「rille und ripp」からきているそう。

YKKの10~20倍ほどの価格が相場ですので比較的高価な傾向にありますが、その美しさは必見です!

                     

                     

RACCAGNI(ラッカーニ)

                     

                     

1983年創業イタリアのファスナーメーカー。

美しいメッキとスライダーの特徴的な形状で、今勢いのあるメーカーです。

国内では扱っているところは少ないのが現状ですが、当社も含め今後に注目している企業も多いのではないでしょうか。

                     

                     

2-3.スライダーのつくりは2種類

ロック機能付き

スライダーの内側に爪があり、ロックのかかるスライダー。

引手を持ち上げるとロックが解除されるオートマチックタイプや、引手を倒した状態だと開かないジーンズ用スライダーなど、多くの種類があります。

このタイプは、スライダーのみを動かしたり、ファスナーテープを左右に引っ張っても開きません。

勝手に開いてしまうのを防いでくれるため、衣料で使用されることが多いですね。

                     

                     

                     

ノンロック

テープを左右に引っ張ると自然にファスナーを開くことができるタイプ。

バッグ等で使用されることが多いです。

                     

                     

                     

3.ファスナー修理ってどんな種類があるの?

当社ではファスナー関連の修理も良くお受けします。

そこで、考えられるファスナーのトラブルをまとめてみました。

                     

◆スライダー ファスナーテープから抜けた
引手が取れた
動きが固い
動かない
生地を噛んでしまった
◆ファスナーテープ ほつれた
穴が開いた
◆エレメント 数個取れた
閉まらない
かみ合わせがずれてしまう
◆上止め/下止め 上止め/下止めが取れた

                     

今まさにお困りの状況に当てはまるものは、ありましたか?

それぞれの修理方法や料金を詳しく知りたい方は、「修理店に持ち込む前に知っておきたい!ファスナー修理8つの方法」というコンテンツを是非チェックしてください!

                     

修理店に持ち込む前に知っておきたい!ファスナー修理8つの方法

                     

修理専門店として出せる情報全てを出し切って作成したので、あなたにとって有益な情報が見つかるはずです!

                     

4.まとめ

今回のまとめです。

●ファスナーとは、「締めるもの」という意味の言葉。一般的に「ファスナー」と呼ばれているのは「線で留めるタイプ=線ファスナー」

●ファスナーは、スライダー、エレメント、引手、ファスナーテープ、上止め/下止め、など様々なパーツから成り立っている

●ファスナーは素材別に大きく分けると、メタル、コイル、ビスロン

●スライダーを作っている代表メーカーはYKK、LAMPO、riri、RACCAGNIなど

●スライダーは構造で分けると、引手を引くことで動かせる「ロック機能付き」と、そのまま開ける「ノンロック」の2種類

●REFINEでは多くのファスナー修理を承っています。商品の状態に合わせて、さまざまな修理方法を提案させていただきます

                     

「まさにそれが知りたかった」

「この状態でも修理できるんだ」

                     

このPageを通し、1人でも多くの方にそう思っていただけたら幸いです。

                     

それでは、また次のPageでお会いしましょう。

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