ベルルッティのポーチを修理しました!知ってほしいベルルッティの魅力と、止水ファスナーのおはなし

2020.12.10


こんにちは。リペアスタジオREFINEです。

今回は、おしゃれなセレブに大人気「ベルルッティ」の修理のおはなし。

                     

ベルルッティといえば、特徴的なカリグラフィや高級革靴で有名ですね。

皮革製品のイメージが強いですが、ナイロン製の旅行バッグやリュックもあります。

                     

今回お預かりしたのも、カリグラフィが全体にあしらわれたナイロン製のポーチ。

軽くて丈夫、色味も黒なのでマルチに使用できそうです!

                     

                     

さて、このポーチについているファスナー、普段目にするものと少し違うと思いませんか?

このファスナーは「止水ファスナー」といい、普通のファスナーとは異なる特徴があります。

勘のいい方はすぐにわかってしまうかもしれませんね。

その答えは…

Pageの後半でご紹介します!


1.人に教えたくなる、ベルルッティの魅力

1-1.ベルルッティの歴史

1895年にフランスにてビスポークシューズ専門のメゾンとして誕生。 

愛用者には、パブロ・ピカソアンディ・ウォーホルなど豪華な顔ぶれです。

                     

(*アンディ・ウォーホルという芸術家は、なんとルブタンの歴史にも登場します。

詳しくはこちらのPageでチェックしてください!

大切なものが蘇るまで ~ルブタン 取れたヒールの固定と色ハゲのお修理~

                     

完璧主義な創業者のアレッサンドロ・ベルルッティは、靴の型から履き心地まで一貫したこだわりを持っていました。

そんな姿勢が美意識の高いパリのセレブ層に評価され、多くの顧客を抱えることとなります。

                     

その後、「2代目による工房兼ブティック開設」、「3代目による高級既製靴の生産スタートとレディースコレクションの発表」を経て、世界的ブランドへと発展していきました。

そして、「マダム・オルガ」の登場です。

                     

1-2.マダム・オルガって何者?

マダム・オルガとは、ベルルッティ4代目代表「オルガ・ベルルッティ」のこと。

彼女は、女性ならではの切り口でいくつかの「技術の革新」と「芸術的発展」をもたらしました。

                     

切り口①「ヴェネツィアレザー」

これは、独自の鞣し(なめし)技術によりしなやかなさわり心地と豊かな発色性を実現し、ベルルッティのみが使用を許可されている門外不出の革

これをメゾンで使い始めたのが、彼女でした。

                     

切り口②「パティーヌ」

先ほどおはなししたヴェネツィアンレザーに施す特別な染色方法として、「パティーヌ」を完成させたのも彼女です。

色を何層も重ねて色彩を表現する方法で、その透明感や独特な色ムラが特徴。

今まで紳士靴に使用されてこなかった、グレー、イエロー、グリーンなどを取り入れ、個性的かつ上品なモデルを完成させます。

                     

他にも、唯一無二の造形美と言われる「アンディ」というローファー針と顔料を使用して直接墨を入れて作られる「タトゥー」など、象徴となる技術やモデルを多く生み出していきました。

                     

そんなオルガは「マダム・オルガ」「色の魔術師」と呼ばれ、仲間や顧客から多くの信頼と尊敬を集めたそうです。

                     

                     

1-3.「扉は開かれるためにある」

2005年からバッグ・財布・ベルトなど皮革小物のラインをスタートし、2011年にはプレタポルテへの進出も果たしたベルルッティ。

2020年のホリデーコレクションには、先述した「パティーヌ」を施した小物も登場しています。

しかも、そのパティーヌには「ローズガーデンピンク」や「ユートピアブルー」など新色が使用されているとあって、大注目の商品。

是非チェックしてみてください!

                     

さて、そんなトータルファッションブランドとして進化し続けているベルルッティが掲げている言葉がこちら。

                     

「扉は開かれるためにある」

                     

その言葉の通りベルルッティは数々の変革を経て、今もなお新たな扉を開き続けています。

                     

                     

進化を止めることの無いベルルッティから、今後も目が離せませんね!

                     

2.お修理品はこちら

さて、今回のお修理前写真はこちらです。

                     

                     

この写真だと少々わかりづらいのですが、ファスナーの縁がボロボロになってしまっています。

その為、今回は「ファスナー交換」を承りました。

そして、使用されているファスナーが「止水ファスナー」という種類。

ここで、冒頭の質問の答え合わせをしていきましょう!

                     

止水ファスナーの正体とは?

漢字で「水を止める」と書く止水ファスナー。

その名の通り、「防水性のあるファスナー」を指します。

                     

有名なのが、YKKのアクアガード。

ファスナーの表面をポリウレタンのフィルムでコーティングすることによって、防水性を持たせています。

アウトドアウェアや防水バッグ等に良く利用されていますね。

                     

また、その素材感を活かし、デザインのポイントとして使われることもあるようです

自分の持ち物に使われていないか、探してみるのも面白いかもしれません。

                     

ファスナーには、止水ファスナーの他にも種類があります。

そのファスナー、修理できます ~修理の種類とパーツの名前~

このPageでは、豆知識やファスナーを使った動画などを公開中。

是非ご覧ください!

                     

3.お修理完了です

                     

今回ファスナーは交換しましたが、引手(ファスナーを開け閉めする際に引っ張るパーツ)は元々付いていたものを取り付けています。

その為、元の雰囲気を壊すことなく仕上げることが出来ました!

                     

4.まとめ

ベルルッティの魅力と止水ファスナーの正体、お分かりいただけましたか?

普段何となく目にしているブランドの歴史や特徴を知ってみると、より愛着がわいたり興味が深まったりしますよね。

また、自分たちの身の回りに使用されている素材の名称など、思わず人に披露したくなる豆知識を今後も更新予定です。

お楽しみに!

                     

ブランドが商品へ込めている「想い」

その商品を購入されて使用しているお客様の「想い」

                     

REFINEではそれらの「想い」を含めて、預かったお品の「復元」を目指しています。

ご愛用の品にトラブルがあった場合は、是非一度リペアスタジオREFINEにご相談ください!

迅速、丁寧、適切なお見積りで、対応させていただきます。

                     

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それでは、また次のPageでお会いしましょう。

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